モテたい野郎共のための気まぐれ通信

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女性から圧倒的にモテる男が必ず持っている、ある要素とは?

恋がうまくいくかどうかは、出会った瞬間に大きく決まっているといっても過言ではない。

せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しないのだから。

どうしたら、最初のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。

 

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今回は、条件は良いのに最後までいけない男・大輝が決定的に欠けていたものは何?という宿題を出していた。

あなたはこの宿題が解けただろうか?

 

 

大輝と出会ったのは、友人に誘われて顔を出した、アメリカンクラブで開催されたパーティーだった。

夫婦同伴、もしくは恋人同伴が多いなか、スラッと背が高く、独りで参加していた大輝は目立っていたのだ。

「お独りなんですか?」

手持ちぶさたな私と大輝はその場で暫く話し込む。遠目から見ても格好良いけれど、近くから見てもその端正な顔立ちはなかなかのものだった。

「こういう会の時に連れて来れる人が誰かいたら良いんだけど、独り身だからねぇ」

ハハハ、と豪快に笑う大輝が発した言葉を、私は聞き逃さなかった。

「え…?独身なんですか!?大輝さんみたいな良い人は、大概誰かに取られているのに」

この歳になると周囲は続々と結婚しているし、特に素敵な男性に限って既婚者だったり、恋人がいたりする。“世の中そんなにカップルばかりなの?”と問いたくなるくらい、隣には必ず誰かがいるのだ。

しかも話していると大輝がコンサル会社勤めということも判明し、外見も良いし穏やかな口調から彼の優しい人柄も伝わってくる。

「え〜信じられない。こんな素敵な人がまだ東京に独身で残っていたなんて」


—“素敵な独身男性”という都会の天然記念物を、六本木で発見。


脳内で、レーダーが反応する 。早速、翌日大輝にメッセージを送り食事会をすることになった。

しかしこの食事の最中に、次のデートは無いと私は判断を下したのだ。

 

 

大輝が予約してくれたのは『アルカナ東京』だった。

店選びのセンスも良い上に、食事が始まってからもシャンパンやワインのセレクトも上手で感心していた。

そしてお酒が進んだ頃合いで、食事会お決まりの、好きなタイプを言い合う時間となった。

「沙羅ちゃんの好きなタイプはどんな人?」

私はもちろん、目の前にいる大輝に失礼のないように、且つ“自分はいけるかも?”と思わせるような答えを言う。

「優しくて身長が私より高い人かなぁ。あと、英語も話せたら嬉しい!」

“優しい人”は大概の男性に当てはまる。

あとの二つは、目の前にいる人もしくは自分の気に入っている男性が、自分でアドバンテージだと思っているであろうことを言えばいい。

嬉しそうにはにかむ大輝を見て、本当にいい人だなと思った。しかし、ここから徐々に彼のイメージが崩れていったのだ。

「大輝さんは、なんで独身なんですか?」

顔も良いし、性格も良い。尚且つ所得も良い。それなのに、独身でいる意味がわからなかったのだ。

「親からの反対が大きくてさ...うちの親、過保護というか相手の子の家柄とか、変なところに厳しくて。そうこうしているうちに、向こうが浮気しちゃったんだよね」

サラッと明るく言う大輝。しかしその一方で、『アルカナ東京』は一瞬静寂に包まれた。

 

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解説1:親の話から、“この人と結婚したら大変そう”と思わせてしまった

 


“ごめんね、こんな話して”と謝る大輝さん。しかし、婚約をしていた過去があるかないかなんてどうでも良かったのだ。

むしろ大輝の話を聞いて、去年まで誰か特定の人がいたことに納得したくらいだ。

むしろ私が気になったのは、その点ではない。この破談の理由に、引っかかる点があったのだ。

—親からの反対、かぁ…

大輝のような良家ならではの悩みなのだろう。しかし私は、何となく大輝が独身でいる理由が見えてきた。

「大輝さんは優しいから、女の子もつけあがっちゃうのかな。大輝さんと付き合える女の子って、本当に幸せですよね。羨ましい!」

「優しいのかな?自分ではよく分からないけど」

大輝は優しいし、言い方は悪いが条件も良い。きっと彼と付き合えたら幸せなんだろうなぁとは思う。

でも、どうしてだろうか。

とても良い人のはずなのに、異性として心が熱く燃え上がるようなトキメキはなく、“好き”と結びつかないのだ。

「でも大輝さんが未だに独身なんて、本当に奇跡ですよね」

心の中では大輝に足りないものが何なのかを考えながら、私は質問を続けてみる。

「そんなことないよ〜独りの時間が長かったから、逆に誰かと暮らしていけるのか不安もあるし。それにワガママなところもあるんじゃないかなぁ」

「ワガママなんですか?そんな風に全然見えないのに」

一見ワガママなんて言わなそうに見える大輝。しかし次の返答に、私は答えを見つけた気がした。

 

「母親が甘い人だったからね。あと自分一人の時間が結構大切で。一緒にいてもそれぞれ個々の時間を取れる人がいいなぁ。束縛されるの、苦手なんだよね」

”困ったもんだよね〜”と大きな口を開けて笑う大輝。そんなカラッとしている大輝を見ながら、私は考える。

—かなり甘やかされて育ってきたんだろうなぁ...大輝さんと結婚したら大変そうだな...

結婚したい女性は、少なからずとも出会う男性を“結婚できるかどうか”の視点で見て、判断している。

大輝の話にはさっきから母親、つまりもし結婚したら姑になる人の話が高頻度で上がってきている。自ら過保護だと言っているあたりから、付き合いがややこしそうだな、など勝手に想像してしまう。

爽やかに微笑む大輝。しかし彼の母親の存在が微妙に脳裏をかすみ、何となく逃げ腰になっている自分がいた。

 

 

解説2:“いい人”過ぎて、色気が足りない

 

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「大輝さんみたいな人と付き合える女の子って、絶対幸せですよね。デートも良いお店へ連れて行ってくれそうだし、優しいし」

そもそも、女性がこの台詞を言う時は2パターンのケースがあると思う。付き合いたいという意味を込めて言う場合と、優しすぎて“良い人”で終わっている場合だ。

「そうだねぇ。食べることが好きだから、お店は良い所へ連れて行くかも。沙羅ちゃん行きたい店ない?どこでも好きな所でいいから、今度一緒に行かない?」

大輝はにこやかな笑顔を浮かべて誘ってきてくれたけれど、私は気がつくとこんな言葉を口にしていた。

「いいんですか?そしたら、今度またみんなでご飯行きませんか?私、大輝さんに紹介したい女の子がいるんです!」



帰り道のタクシーに乗り込んだ私は、ぼんやり考えていた。

お姑さんの顔がチラついたことも大きいかもしれないけれど、それ以前に私は大輝をどうしても友達以上に見られなかった。

本当に、勿体無いと思う。人も良いし、条件も良いのに好きになれないなんて。

でも女性には、本能的に魅かれる人と魅かれない人がいる。

一体彼に欠けているものは何だっただろう。すると、タクシーに乗って1分もたたないうちに大輝からLINEが届いた。

大輝:今日はありがとうございました!素敵な沙羅ちゃんとお話しできてとっても楽しかったです。次はいつにしましょうか?とりあえず今日はゆっくり休んで下さいね^^今週も残り2日、頑張って乗り切りましょう!お休みなさい。

 

とても丁寧で礼儀正しく、当たり障りのない内容。そしてその後に送られてきたゆるふわ系のキャラクタースタンプを見た時に、私は大輝に欠けている要素が何か分かってしまった。


大輝に決定的に欠けていたもの。
それは、男としての色気だった。


そのメカニズムは良くわからないけれど、モテる男の人が放つ特有の色気は、女性からすると魅力的だ。

決してプレイボーイである必要はないし、Yシャツを第二ボタンまで開けろという意味でもない。しかしモテる男の人には共通して、“男としての色気”が備わっているのだ。

男の色気はどこから来るのか分からない。しかしちょっとした仕草だったり、不意に見せる表情にその色気は宿っている。その仕草や表情は、いつだってちょっぴりミステリアスだ。

一方で大輝の場合、根っから明るそうで影は一切感じない。彼はあまりにも良い人過ぎて心に引っかからない。

つまり大輝はあまりに"無難"で、何も感じないのだ。

親のことや元婚約者の浮気の話を何でもオープンに話してくれたのも、裏表がなくて友達としては素晴らしいけれど、ニヒルに微笑んでボヤかすくらいでも良いのかもしれない。

そして異性として見られない男性に限って、こうやってLINEが無駄に丁寧かつ無難なことが多い。

—好きになれたら最高なのになぁ。

そう思いながら、“良い人だけれど好きになれない”大輝からのLINEを見つめた。